香港株分散の鍵!ディープシークで注目銘柄

知識・情報まとめ

2024年以降、世界の投資家たちの目が再び香港株に向けられています。その大きな転換点となったのが、中国発の対話型AI「ディープシーク」の登場です。本記事では、ディープシークの登場が香港株に与えた具体的な影響と、それにより注目される銘柄、さらには今後の投資戦略について詳しく解説します。

ディープシークがもたらした香港株市場の再評価

中国発AI「ディープシーク」は、たった600万ドルの開発費でChatGPTに匹敵する性能を実現し、市場を驚かせました。最新モデル「ディープシーク-R1」がリリースされ、iPhoneのアプリダウンロード数で1位を獲得したことで、世界中の投資家が注目。
この出来事は「ディープシーク・ウェークアップ」と呼ばれ、中国のテクノロジー業界に対する評価が一気に変わるきっかけとなりました。

これまで中国テック株は、経済成長鈍化や規制強化懸念により、過小評価されてきました。しかし、ディープシークの登場により「中国にも世界をリードできるAI企業が存在する」という見方が広まり、特に香港市場に上場している中国企業の株価は軒並み上昇しました。

香港株の驚異的パフォーマンス

実際に2024年初来で香港株は42%という驚異的な上昇率を記録。
これはS&P500(+18%)や日本のTOPIX、インドのSENSEXを上回り、主要市場トップのパフォーマンスです。
特に米国市場がインフレや金利高で調整する中、香港市場だけが大幅に上昇した背景には、ディープシークによるテック株の再評価と、中国政府による景気刺激策への期待が大きく影響しています。

ディープシーク効果で上昇した主要銘柄

実際にどの銘柄がこの相場をけん引したのかを、具体的に見ていきましょう。

【ディープシーク登場後、急騰した香港注目銘柄】

※株価は、3月14日時点。

コード 銘柄名 事業内容 株価騰落 時価総額
09660 ホライゾン ロボティクス 先進運転支援システム(ADAS)を提供 76.6% 974憶HKドル
00486 ルサール ロシア大手のアルミ製造業者 67.0% 787憶HKドル
01347 フアホン・セミコンダクター 半導体ファウンドリー 65.9% 1,090憶HKドル
09868 シャオペン 電気自動車メーカー 58.4% 1,752憶HKドル
00268 キンディインター 企業向けERP・クラウドソリューション提供 50.1% 540憶HKドル
00241 アリババ ヘルス 健康管理用IT機器・プラットフォーム運営 56.1% 863憶HKドル

特にEV、半導体、データセンター、電子商取引といった新興テクノロジー分野の企業群がディープシーク効果を強く受け、50%以上の上昇を記録しています。

注目銘柄の株価データ

今後、注目する主要銘柄を整理します。

株価は、3月18日時点)

銘柄名 株価 52週高値 52週安値
iシェアーズ 中国大型株 ETF (FXI) 38.49 米ドル 38.73 米ドル 23.58 米ドル
アリババグループ (09988) 143.40 HKドル 145.90 HKドル 65.24 HKドル
テンセント (騰訊) (700) 541.00 HKドル 547.00 HKドル 282.40 HKドル
金沙国際 (シンディーインターナショナル) (00268) 15.76 HKドル 17.76 HKドル 5.26 HKドル
比亜迪 (BYD) (01211) 401.40 HKドル 418.40 HKドル 193.80 HKドル

アリババ、テンセントといった巨大テック企業も、AIブームと中国政府の成長支援策の恩恵を受け、株価は2024年以降順調に回復しています。

香港株ファンダメンタルズの改善

株価だけでなく、香港市場のファンダメンタルズも確実に底堅くなっています。

中国経済指標の安定
2024年以降、中国の鉱工業生産は前年比5%超の安定成長。小売売上も回復基調に転じ、内需主導の経済運営が機能し始めています。

全人代の5%成長目標維持
2024年3月に閉幕した中国の全人代では、引き続き5%前後の経済成長目標を掲げ、AIなど先端技術分野への投資を強化する姿勢が示されました。

香港株の割安感継続
ハンセン指数のPERは11倍台と依然低水準。他の主要市場と比べ、割安感は続いており、今後の上昇余地が残されています。

投資戦略まとめ

2024年以降の香港株は、ディープシークによるAI革命の象徴として市場が再評価され、テクノロジー株主導の急騰相場が到来しました。

1. テーマ型×バリュー型のハイブリッド戦略

通常の香港株投資は「高配当・低PBRのバリュー株」に集中しがちですが、2025年以降はこの枠組みに「テーマ投資」の視点を掛け合わせることが重要です。

具体的な実践方法

  • ポートフォリオの約50%をPBR1倍割れの商社株・金融株等で安定化

  • 残り50%をディープシークが注目したテクノロジー・AI・EV関連銘柄に集中投資

香港市場の特徴
香港株は株価指数の約4割を金融株(中国工商銀行、HSBCなど)が占め、配当利回りが高い一方で、成長性に課題があると言われてきました
ここに新興テクノロジー銘柄を組み込むことで、収益の安定性と成長ドライバーの両立が可能になります。


2. セクターごとの相関性を利用したリバランス戦略

香港市場は、日本株や米国株に比べてボラティリティ(価格変動率)が高い特徴があります
特にディープシーク効果で注目されたテクノロジー銘柄は、一時的に大きく上昇する一方、短期的な調整局面に入るリスクもあります

そこで有効なのが動的なリバランス戦略です。

具体的には

  • セクターごとのボラティリティを数値化
    例:EVセクター(BYD、シャオペン) vs 金融セクター(AIAグループ)

  • 株価が過熱(PER急上昇 or RSI70超え)した場合は一部利確し、低PBR株にシフト

  • 逆に市場調整時には、割安になったテクノロジー銘柄を買い増し

これにより、市場サイクルの波を利用しながらリスク調整後リターンを最大化できます。


3. 中長期視点のEPS成長率を重視した銘柄選定

短期的なディープシーク相場に乗るだけでなく、3〜5年先を見据えたファンダメンタルズ分析を取り入れた方がいいでしょう。

注目するべき指標は

  • EPS成長率(1株あたり利益)

  • ROIC(投下資本利益率)

短期の株価変動ではなく、EPSとROICの成長トレンドが続いているかを確認し、長期で保有できる銘柄を厳選することが重要です


4. 為替ヘッジ×分散ETF活用の組み合わせ

香港株は香港ドル建てで取引され、米ドルとペッグ制(固定相場制)を採用していますが、為替リスクはゼロではありません

戦略としては

  • 為替ヘッジ型の香港株ETF(例:iシェアーズ 中国大型株 ETF (FXI))を活用

  • 個別銘柄投資とETF投資を併用し、リスクコントロール

特にETFは市場全体のボラティリティを抑え、個別銘柄のリスクと為替リスクの両方をヘッジする役割を果たします。


5. 中国マクロ政策動向を定点観測

ディープシーク銘柄が急騰した背景には、中国政府の政策支援(AI産業振興・EV補助金)があります
したがって、投資判断では以下の指標・政策動向を定期的にチェックすることが必須。

  • 全人代(全国人民代表大会)での成長率目標

  • 人民元の為替政策

  • 半導体・AI産業支援策

  • 不動産市場規制緩和の有無

これらの動きは香港市場に即座に反映されるため、マクロ経済と投資先の業績見通しを連動して判断する必要があります。

まとめ

ディープシークの登場は、香港株市場に明確な変化をもたらしました。
AIをはじめとするテクノロジー銘柄が見直され、2024年には香港株が世界の主要市場の中で最も高いパフォーマンスを実現。
中国経済の安定とともに、香港株は再び長期投資先として注目に値する存在となっています。

これからの香港株投資では、ディープシークが再評価した銘柄群に注目し、分散と成長の両立を目指したポートフォリオを構築することが、安定した資産形成のカギとなるでしょう。

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