2026年はソフトバンクグループとソフトバンクをどう買う?配当×NAVで考えるリスク管理

株式投資

あけましておめでとうございます。新年最初の投稿となる今回は、2026年のAI相場を意識しつつも、値動きの大きさに振り回されずに投資を続けるための「考え方」と「持ち方」を整理していきます。

重要なのは、ソフトバンクグループとソフトバンクの“攻めと守り”を明確に分けて運用することです。

本記事では、ソフトバンクグループのNAVディスカウントやOpenAI関連の感応度、ソフトバンクの配当とキャッシュフローを整理し、比率上限・分割買い・KPI監視・定期リバランスを軸に、具体的な買い方とリスク管理について解説します。

「攻め」と「守り」で使い分けるソフトバンクグループとソフトバンク

AIテーマへの投資を考える上で最も重要なのは、成長の追求とリスク管理のバランスを取ることです。

そのために、AI革命の中核で大きな成長を狙うソフトバンクグループの役割と、安定収益と高配当で守りを固めるソフトバンクの役割を理解し、この2銘柄を組み合わせる戦略の利点を活かすことが有効なアプローチとなります。

この2つの銘柄は性質が全く異なるため、一方の弱点をもう一方が補う関係にあります。

両方を保有することで、AIの成長という大きな潮流に乗りながらも、ポートフォリオ全体の値動きを安定させ、長期的な資産形成を目指しやすくなるのです。

AI成長の大きな波に乗るソフトバンクグループの役割

ソフトバンクグループの役割は、ポートフォリオの「攻め」の部分、つまりAIによる非連続な成長を取り込み、大きなリターンを狙うエンジンとなることです。

ソフトバンクグループは単なる事業会社ではなく、AI関連の最先端企業へ投資を行う世界最大級の投資会社としての側面が強く、その動向は世界のテクノロジー市場に大きな影響を与えます。

例えば、生成AI開発をリードするOpenAIとの協業や、数千億ドルを超える規模とされるAI半導体プロジェクト「Stargate Project」構想は、同社がAI革命の最前線にいることを示しています。

投資先の企業価値が向上すれば、ソフトバンクグループの純資産価値(NAV)も増加し、株価の大きな上昇につながります。

ソフトバンクグループは、AIという巨大なテーマの恩恵を最も受けられる日本株の一つです。

ただし、投資先の業績や市場環境によって株価が大きく変動するハイリスク・ハイリターンな特性を持つため、そのリスクを理解した上でポートフォリオに組み入れる必要があります。

安定収益と高配当が魅力のソフトバンクの役割

ソフトバンクの役割は、ポートフォリオの「守り」の部分、つまり安定した収益基盤と高い配当によって資産の下支えをするクッションとなることです。

主要事業である通信サービスは、景気の動向に左右されにくい安定した収益を生み出すため、事業基盤が非常に強固です。

この安定したキャッシュフローを原資として、同社は高い株主還元を継続しています。

AI関連の取り組みも進めていますが、これはあくまで安定した通信事業の基盤の上にある「上乗せ要素」と捉えるべきでしょう。

ソフトバンクグループのような成長株の値動きに不安を感じる時でも、ソフトバンクから定期的に得られる配当は、投資を継続する上での大きな精神的な支えとなります。

株価が下がりにくく、配当が見込める「守り」の銘柄があることで、ポートフォリオ全体の安定性が増すのです。

2銘柄を組み合わせるポートフォリオ戦略の利点

この2銘柄を組み合わせる最大の利点は、攻めと守りの役割分担により、市場のあらゆる局面に対応しやすくなることです。

値動きの異なる資産を組み合わせることで、リスクを分散させ、より安定したリターンを目指す「ポートフォリオ効果」が期待できます。

例えば、AIへの過度な期待で相場が過熱し、ソフトバンクグループの株価が急騰した場面では、一部を利益確定して安定的なソフトバンクへ資金を移す(リバランスする)といった行動が取りやすくなります。

逆に、市場全体が悲観的になり株価が下落した局面では、ソフトバンクからの配当を再投資の原資にしたり、精神的な余裕を持って買い増しを検討したりできます。

このように、感情的な判断に陥らず、ルールに基づいた投資を継続しやすくなる点が大きなメリットです。

ソフトバンクグループで未来の成長を追い求めつつ、ソフトバンクで現在の安定を確保する。

この二段構えの戦略によって、AI相場という大きなチャンスを、過度なリスクを取ることなく資産形成に活かすことが可能になります。

ソフトバンクグループの将来性を測る3つの判断軸

ソフトバンクグループ(9984)の株価を評価する上で、単なる業績だけでなく、その投資会社としての特性を理解することが最も重要です。

将来性を見極めるためには、AI関連資産への投資状況、純資産価値(NAV)ディスカウントの正しい理解、そして非上場資産がもたらす評価の不確実性という3つの判断軸を総合的に分析する必要があります。

これらの視点を持つことで、日々の株価変動に惑わされず、長期的な視点での投資判断が可能になります。

判断軸1・OpenAIなどAI関連資産への投資状況

ソフトバンクグループの将来性を語る上で、AI革命の中核を担う企業への投資状況は欠かせない要素です。

特に、生成AI開発をリードするOpenAIとの連携は、グループ全体の成長期待を大きく左右します。

ソフトバンクグループは、OpenAIと共に大規模のAI向け半導体供給網プロジェクト「Stargate Project」を発表したと報じられています。

この構想は、将来のAI社会に不可欠なインフラ構築を目指すものであり、実現すればグループの企業価値を飛躍的に高めることにつながります。

ただし、巨額の投資計画は市場環境や資金調達の状況によって変更される可能性がある点には注意が必要です。

判断軸2・純資産価値(NAV)ディスカウントの正しい見方

NAV(Net Asset Value)とは、ソフトバンクグループが保有する株式などの資産価値から、有利子負債を差し引いた純粋な資産価値のことです。

そして、株価がこのNAVに対して大幅に割安な状態で放置されることを「NAVディスカウント」と呼びます。

例えば、ソフトバンクグループが開示するNAVが1株あたり15,000円であるのに対し、実際の株価が10,000円だった場合、ディスカウント率は約33%となります。

このディスカウントは、後述する非上場資産の評価の難しさや、投資会社特有のリスクを市場が織り込んでいるために発生します。

投資家は、このディスカウント率の推移を観測することで、市場のセンチメントや株価の割安感を判断する材料にできます。

投資判断においては、NAVの絶対額だけでなく、ディスカウント率が過去と比較してどの水準にあるのかを確認することが有効です。

判断軸3・非上場資産がもたらす評価の不確実性と株価変動リスク

ソフトバンクグループのNAVディスカウントが生じる最大の要因は、ビジョン・ファンドなどを通じて投資している数多くの非上場企業の評価が難しい点にあります。

上場企業のように市場で常に株価が付いているわけではないため、その価値算定には一定の不確実性が伴います。

これらの非上場資産は、将来的にIPO(新規株式公開)などを経て大きな利益をもたらす可能性がある一方で、事業がうまくいかなければ価値が大きく減少するリスクも抱えています。

決算発表のたびにこれらの資産評価額が見直され、それがソフトバンクグループの業績や株価を大きく変動させる要因となります。

この評価の不確実性と、それに伴う株価変動リスクの存在を十分に理解した上で投資することが求められます。

2026年1月予定の株式分割が与える影響

ソフトバンクグループは、2026年1月1日を効力発生日として、1株を4株に分割する株式分割を予定しています。

この株式分割自体が、企業の ファンダメンタルズ(基礎的な価値)を直接向上させるわけではありません。

しかし、株式分割によって1株あたりの価格が下がることで、個人投資家が投資しやすい環境が整います。

例えば、株価が10,000円であれば最低投資金額は100万円必要ですが、分割後は2,500円になるため、25万円から投資が可能になります。

このように投資家層が拡大し、株式の流動性が高まることは、株価にとってプラスに働く要因となります。

ソフトバンクの配当と安定性を支える事業基盤

ソフトバンク(9434)に投資する上で最も重要なのは、安定した通信事業が生み出す潤沢なキャッシュフローです。

これが高い配当利回りを維持するための源泉となっています。

この安定性の土台となる通信事業のキャッシュフロー創出力を深く理解し、最近注目されるAI関連事業の位置づけを正しく捉え、投資判断に不可欠な財務指標の確認方法まで具体的に解説します。

ソフトバンクの魅力は、派手な成長ストーリーではなく、着実に利益を生み出し株主に還元する事業構造にあります。

この「守り」の強さをデータで確認することが、賢明な投資判断につながるのです。

配当の源泉となる通信事業のキャッシュフロー創出力

キャッシュフローとは、企業が事業活動で実際に得た現金の流れを示す指標で、企業の体力そのものを表します。

特にソフトバンクの場合、このキャッシュフローが配当の源泉となるため、非常に重要です。

ソフトバンクは、国内通信事業から年間約1兆円超える規模の安定した営業キャッシュフローを生み出しています。

この莫大な現金収入があるからこそ、巨額の設備投資を行いながらも、高い水準の配当を維持できます。

利益の数字だけでなく、実際にどれだけの現金を稼ぎ、自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)がいくらあるのかを確認することで、配当の持続可能性をより正確に判断できます。

AI関連事業はあくまで安定基盤の上の「上乗せ要素」

ソフトバンクもAI開発に力を入れていますが、投資判断においては、AI事業を「将来の成長を期待する上乗せ要素」と位置づけることが大切です。

ソフトバンクグループのような「攻め」の投資とは性格が異なります。

例えば、ソフトバンクは生成AI開発のために今後数年間で約1,000億円超える規模の投資を行う計画を発表しています。

この投資は、安定した通信事業の利益の範囲内で行われるものであり、事業の根幹を揺るがすようなリスクを取るものではありません。

通信事業という揺るぎない土台があるからこそ、AIという新しい分野に挑戦できるのです。

このバランス感覚が、ソフトバンクの「守り」の強さの秘訣といえるでしょう。

投資判断で確認すべき財務指標

企業の健全性を測るためには、いくつかの重要な財務指標を確認する必要があります。

特にソフトバンクのような設備投資が大きい通信会社では、負債の状況と自己資本の厚みをチェックすることが不可欠です。

注目したい指標の一つが「純有利子負債/EBITDA倍率」で、年間で稼ぐ現金(EBITDA)の何倍の借入金があるかを示します。

ソフトバンクはこの倍率を3.5倍程度に抑えることを財務方針として掲げており、健全性の目安としています。

これらの指標を決算短信や決算説明会資料で定期的に確認する習慣をつけることで、感覚的な投資から脱却し、データに基づいた冷静な判断ができるようになります。

2026年を見据えた失敗しない投資戦略とリスク管理

AIという成長テーマに投資する上で、「どの銘柄を選ぶか」と同じくらい「どう保有し続けるか」が重要です。

感情に流された売買は、大きな失敗につながりかねません。

ここでは、具体的な行動ルールとしてポートフォリオに占める上限比率の設定、高値掴みを避けるための時間分散による購入ルール、感情に左右されないための定期的なリバランス実行、そして想定される主要リスクへの具体的な対処法を解説します。

これらのルールを機械的に守ることが、冷静な判断を保ち、長期的な資産形成を成功させるための鍵となります。

ポートフォリオに占める上限比率の設定

ポートフォリオとは、ご自身が保有する株式や投資信託など、金融資産全体の組み合わせのことです。

特定の銘柄に資産が集中しすぎると、その銘柄の株価が下落した際に大きな損失を被るリスクが高まります。

そこで有効なのが、投資資産全体に対して各銘柄が占める割合の上限を、あらかじめ決めておくことです。

例えば、値動きが大きくなりやすいソフトバンクグループは資産全体の5%~10%、安定性を重視するソフトバンクは5%~15%のように、自分なりのルールを定めます。

この上限比率を守ることで、どちらかの銘柄の株価が急落しても資産全体へのダメージを限定的にし、冷静な投資判断を維持しやすくなります。

高値掴みを避けるための時間分散による購入ルール

時間分散とは、投資資金を一度に全額投じるのではなく、複数回に分けて異なるタイミングで購入する手法を指します。

「一番安い価格で買いたい」という気持ちはよくわかりますが、株価の底を正確に当てるのはプロの投資家でも非常に困難です。

例えば「投資予定額を5回に分けて、1ヶ月ごとに購入する」というルールを決めれば、購入価格が平準化され、最も高い価格で一括購入してしまうリスクを効果的に軽減できます。

購入タイミングを機械的に分散させることで、日々の株価の動きに一喜一憂することなく、計画的に資産を積み上げていくことが可能になります。

感情に左右されないための定期的なリバランス実行

リバランスとは、株価の変動によって崩れてしまった資産配分を、当初決めた目標の比率に戻すための調整作業です。

例えば、ソフトバンクグループの株価が大きく上昇し、当初10%と決めていた比率が15%まで増えたとします。

この場合、ルールに従って比率が目標を超えた5%分を売却し、利益を確定させるのです。

この作業を「四半期に一度」や「当初の比率から±5%ずれたら実行する」といったルールに基づいて行います。

リバランスを機械的に実行することで、「もっと上がるかもしれない」という欲にかられて売り時を逃すといった失敗を防ぎ、ポートフォリオ全体のリスクを管理下に置くことができます。

想定される主要リスクへの具体的な対処法

どんなに魅力的な投資先であっても、リスクが全くないということはありません。

重要なのは、あらかじめ想定されるリスクを理解し、それに対する具体的な対処法を決めておくことです。

ソフトバンクグループとソフトバンクに投資する上で特に注意すべきリスクとして、金利上昇リスク、AI投資の回収遅延リスク、そして非上場資産の評価リスクの3点が挙げられます。

これらのリスクに対して「ポジションの上限比率を守る」「主要な経営指標を定期的に確認する」といったルールを徹底することが、予期せぬ事態に直面しても冷静に対応するための鍵となります。

まとめ

本記事では、ソフトバンクグループ(9984)を「攻め」、ソフトバンク(9434)を「守り」として役割分担し、AIテーマを“銘柄選び”ではなく“運用ルール”で安定させる考え方を整理しました。

ポイントは次の4つです。
・ソフトバンクグループはNAVディスカウントと財務レバレッジ(LTV)をセットで確認し、評価のブレを織り込みます。
・両銘柄とも、ポートフォリオ内の比率上限を先に決めて集中リスクを抑えます。
・ソフトバンクは配当の源泉である営業キャッシュフロー/フリーキャッシュフローを定点観測します。
・買い方は分割(例:5回)で時間分散し、定期(四半期)または乖離(±5%)で機械的にリバランスします。

結論として、先に「上限比率」「分割買い」「監視KPI」「リバランス条件」を紙に書ける形で固定し、そのルールに沿って淡々と運用することが、値動きに振り回されずにAI成長を取り込む現実的な最適解です。

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